大学院教育方針
大学院修士課程(博士前期課程)での教育目標は、講義を通してのより高度な基礎学力の修得と、その知識を総合したり応用したりすることによって、技術的な問題の発掘やそれを解決する能力を開発することである。また、工学倫理を身につけ、国際性についても豊かな感性を培うことである。博士(後期)課程では、さらに総合的で学際的な対象についても、自己で問題の設定ができ、解決の方法を推考して実行できる、自立した研究者としての資質を磨かせることが目標である。また、修士課程での実際の教育では、単位キャップ制を導入し、講義と研究の時間的なバランスや、講義科目の選択における系統性がとりやすいよう配慮している。
修士課程入学後から、博士学位を取得し大学や研究機関、企業等で活躍する研究者を志望する者には、修士課程と博士後期課程を連携する5年間のコース(博士課程前後期連携教育プログラム)が提供されており、後述するように融合工学コースと高度工学コースから構成されている。長期的な視点から、科目履修や研究推進、ORTや長期インターン等を組み合わせた独自のカリキュラムを設計し、計画的に学修・研究に取り組めるようになっている。
博士後期課程(博士課程前後期連携教育プログラムの3年コース)では、研究を通じた教育を介して、新しい研究分野において研究チームを組織し新たな研究をリードすることのできる研究者を育成します。研究を進める上で必要な専門的かつ基礎的な知識を修得させるための豊富な講義科目、実験・演習・セミナー科目を開講している。
なお、継続教育としての社会人の再教育と高度な研究開発能力の評価(学位審査)にも力を注いでおり、工学研究科の社会人特別選抜の制度の枠組みの中で、主として博士課程の社会人を受け入れている。
教育プログラムの内容
修士課程教育プログラム
電気・システム・生体工学、光・量子・電子理工学などの専門分野において、基礎学問の発展と深化を図るとともに、デジタル技術と相乗的融合により新たな学際フロンティアを創出する、高度な専門性と豊かな創造性を兼ね備えた人材の育成を目的とする。具体的には、自動制御、生体医工学、超伝導現象の諸応用、電気電子回路、大規模シミュレーション、電波科学、超伝導材料、半導体機能材料、有機ナノ電子物性、電子・光・スピン・量子状態の制御に関する教育と研究に加えて、データサイエンス、サイバーフィジカルシステム、グリーンテクノロジーに関する教育と研究を通じて、基盤から先端技術に至る体系的な知識を身につけ、工学技術開発の基本を体得する。以上により、現実世界と仮想世界との融合に貢献し得る、柔軟かつ豊かな創造性と幅広い視点、そして先進的な志向を備えた高度情報専門人材を育成する。
博士課程前後期連携教育プログラム
高度工学コース
電気・システム・生体工学、光・量子・電子理工学などの専門分野における基礎学問の発展と深化、ならびに、デジタル技術と相乗的に融合した学際フロンティアの展開による、高度な専門性と創造性を有する人材の育成を目的とする。このプログラムの推進する教育及び研究は、光においては、任意の波長、強度、方向の、発光及び受光を可能にして光を自在にあやつり、電子においては、これまでの概念を超えるデバイスや量子効果などを通して、光と電子を極限まで制御することとその理解を目的とする。フォトニック結晶やワイドギャップ半導体、分子ナノデバイス、スピンデバイスや量子凝縮系デバイスなどの新規材料・デバイス創成、パワーデバイス、電子・光・イオンによる革新的ナノプロセスなどに加えて、超伝導、電磁界解析、システム制御、データサイエンスなどの最先端応用である、低環境負荷なエネルギーシステムの構築、機械学習と高度に融合した生体センシングなど、世界でトップクラスの研究成果を挙げている分野で教育と研究を推進することにより、博士号取得の段階で、自立し、幅広い専門知識を有し、国際的に通用する一流の人材を育成する。
博士課程前後期連携教育プログラム
融合工学コース(融合光・電子科学創成分野)
光・電子科学に関わる融合領域を開拓する教育研究を通じて、新しい学術分野における高い専門的知識・能力に加えて、既存の物理限界を超える概念・機能を創出する革新的創造性を備えた人材の育成を目的とする。究極的な光子制御による新機能光学素子や高効率固体照明の実現、極限的な電子制御による耐環境素子・スピン素子や超集積システムの実現、強相関電子系物質や分子ナノ物質の創成と物性制御、高密度エネルギーシステムの制御とその基礎理論、新しい物理現象を用いたナノレベル計測とその学理探求、高度なデジタル技術を活用した機能デバイスの設計などの融合分野において、基盤的および先端的な講義、テーラーメイドのカリキュラムやインターンシップ等を活用した教育、光・電子理工学教育研究センターの協力を得て行う先端的融合研究を通じて、広い視野と高い独創性、国際性、自立性を涵養し、光・電子科学分野を牽引する人材を育成する。
